「造型は自動化が出来ましたが、次の挑戦はバリ取りだったんですね?」
はい、今度は2マシン1人ということへのチャレンジになりました。それにはバリ取りをどうするかという課題がありました。
これは中子製造の現場では誰もが考えていることです。
バリ取りの方法は、主に3つの方法が考えられました。
まずは、これは経験はありませんが、草の数珠をぶら下げて上下させて取るという方法。
実際には、チェーンをぶら下げる方法にチャレンジしました。この時は社長がいろんなチェーンを買ってきてくれました。どういう形状が一番バリが取れるか実験をして、一番よく取れるものを選びました。
チェーンでバリ取りするマシンは、今でも一台現役で動いています。
次に、中子に玉をぶつける方法があります。ただし、固い玉だと中子に傷がついてしまいます。ですから、その代わりの柔らかい玉としてお米を使った人もいます。
もう一つは、型を作ってそこに中子をはめ込んで取るという方法が考え出されました。
そんな方法でのバリ取りが考えられましたが、チェーンを使う方法でも固さの程度や形状によって取れない場合がありました。
型の中を通す方法でも、型はめいっぱい小さく作られる為、中子を通すのが大変で、入らない場合もありました。ギリギリの精度で作らなければ意味がありませんが、無理をすれば大事な中子が壊れてしまいます。
そのため、中子を通す技術として振動を与えながら通すという方法も考えられました。この場合、型は中子より少し大きい程度でいいんです。この方法はドイツでも同時に考えられていました。
実際には、これでも問題点が多いものでした。 |